2/4(日)稽古日誌、柴田ののかが担当いたします◎
この日誌があがるのは公演本番期間中なんですよね、きっと。
今頃、わたしは何を感じて舞台に上がっているんだろう。
緊張しているかな、楽しめているかな。楽しめているといいな。
そんなことを思いながらこの日誌を書いています。
TEAM909にとって最終公演。みなさんに楽しんでいただけたら幸いです。
あとはやっぱりTEAM909劇団員や座組も楽しんでくれていたら嬉しいな。
わたしは役者として舞台に関わるすべての人の心に寄り添えられたらと思います。
そんな柴田がお届けする三度目の稽古日誌です◎
【稽古日誌】
最終公演『朝が来る、半ば狂う。』
今日も今日とて、公演稽古。粗通し。
2月4日、この日は粗通しをしました。
「粗通し(あらどおし)」とは、その名の通り、ミスをしても構わないからどれだけ出来が粗くても止めることなく全体をつなげてやってみようというものです。
これまではシーン稽古で作品全体をぶつ切りにして稽古してきたので、
粗通しを通して作品の全体像を把握していきましょうという目的をもっておこないました。
わたしはこの日の稽古終わり、ようやくここまで持ってこれたと安堵しました。
私事で恐縮ですが、稽古期間後半から自分が主導して稽古場を仕切らせていただいておりまして、質がどうであれ「通せるようになる」というのは舞台に立つことを許されたような感覚がしてとても嬉しかったんです。
でもそれは自分だけでなく、座組全体もそう感じているようで。
稽古場から駅までの帰り道、みんなの声のトーンも少し明るくなったように感じました。
そして稽古時間は少し遡って、粗通し前のシーン練習の話。
ボブさんから「まだ動きや立ち回りを決めてないから、自由に動いて」と指示が出され、
一つのシーンをひたすら回したんです。いわゆるパターン出しみたいなものです。
自分で最初の立ち位置を決めて、シーンが始まれば立ち回りを考えながら芝居して。
いくつもの写真を上げますが、一番右側にいる劇団員の小野カフカさんを見比べてほしいんです。
パターン豊富ですごいですよね。
これを即興・反射でできてしまう柔軟さ。そしてちゃんと実を伴っているおもしろさ。
いつも羨ましくも尊敬しながらカフカさんの芝居を見て学ばせていただいています。
こういう役者のすごいところに直面する度、わたしも頑張らねばと身が引き締まります。
でも羨ましいと感じても、わたしはわたしのやり方で着実に時間かけながらでも、
持ち役の出番や全体シーン、場面転換などを研鑽していきますね。
あ、でも、もちろん出したアイデアはすべて採用されるわけではないし、
「自由に動いて」と言われつつ「さすがにそれはなし」の一言で却下なんていうのもざらにあります。
それはわたしにもありうることだし、どんなに尊敬しているカフカさんにもありうることなんです。
(写真も、始まったシーンをわざわざ止められてまで「なし」と言われた時のポーズですね)
そういう時になんでかわたしは恥ずかしさに襲われてのまれがちなんですが、
カフカさんのすごいところはそれさえも愛嬌で返してそういった感情に喰われることなく、すぐに違うパターンを試せるところにもあります。
「わたしはわたしのやり方で」とは言いながら、正直に言うと「羨ましくも尊敬する」がやっぱり本音であったりもするので、日々精進かつ自己研鑽ですね。
シーン稽古も、通し稽古も。
緊張も、楽しさも。
自分も、他者も。
速さも、着実さも。
羨ましさも、尊敬も。
色んなものを綯い交ぜてみんなで舞台をつくりあげます。
そしてきっと現在本番真っ只中、その軌跡がカタチになっていることと思います。
これまでの稽古の努力が実を結んでいることを祈って。
以上、柴田ののかがお届けいたしました◎
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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