8月3日(日)稽古日誌

こんにちは。空集合主宰・脚本・演出の久岡信也です。

8月2日に、11月の公演情報が解禁されました!

プレイカンパニー空集合第2回公演「連続するシタイの方程式」

🎫予約フォーム🎫
https://shibai-engine.net/prism/pc/webform.php?d=ym1oj9b1

ぜひ見に来てください!

そしてこの日の稽古でちょうど公演稽古を始めて1ヶ月でした。

今回の公演でも、より面白い作品にするための試行錯誤をあれこれ取り入れています。

そして今回、その際たるものが、「濱口メソッド」です。

濱口メソッドとは、映画監督の濱口竜介監督による演出(演技)メソッドです。濱口竜介監督は、『ハッピーアワー』や、『ドライブ・マイ・カー』、『悪は存在しない』などで有名な映画監督です。特に『ドライブ・マイ・カー』では、第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞など複数の賞を獲得し、翌年には第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。さらに『悪は存在しない』では第80回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞(審査員大賞)を受賞し、アカデミー賞と世界3大映画祭すべてで受賞した日本人監督となっています。すごいですよね!

「濱口メソッド」はその濱口監督が作品制作で採用するもので、俳優の自然なリアリティと本物の感情を引き出すものです。演技法というよりは「演出の方法論」に近いものです。

凄くないですか? スタニスラフスキーシステムやマイズナーテクニックなど、人の名を冠する演技法は数あれど、近年の、かつ日本人の名前がメソッドの頭につくってそうそうないと思うんです。

具体的な内容は簡単にいうと下記のような感じ。

リハーサルや台本読みで、俳優に感情やニュアンスを込めることを厳しく禁止し、セリフに含まれる間(…や句読点)まで細かく再現させ、さまざまな速度や音量で読み込むことで、テキストを身体に染み込ませます。

そうすることによって撮影が“本番”としての感情発露の場になります。感情を込めるのは「本番」の撮影時だけ。台本に意味を絞らず、多義的なまま体に取り込ませることで、リアルな感情が現場で自然に生まれます。

「演じよう」と意識する代わりに、「その人物がその状況で感じること」にフォーカスし、俳優が役になりきる自然体の説得力を導く演出法です  。

私は本業で映像をしていることもあり、濱口メソッドには目をつけていたんですが、この度、自分なりの応用によって、空集合の演劇を1段階押し上げることができるのではないかと思い、このメソッドを部分的に活用することにしました。濱口メソッドをそのままやるというよりはそれを下地にして世界観を揃えてつくっていくというイメージです。

そしてこの日は、1ヶ月を通して私が役者の皆さんに対してどういう想いで様々なワークを行ってきたか、目指すべき方向性などについて改めて皆さんと話す機会を設けました。

濱口メソッドは役者の皆さんに一定の負荷をかける手法だからです。

役者の皆さんの理解と、役者の皆さんと演出かの信頼関係があってはじめてこのやり方は成り立ちます。

だからこそ、きちんと時間をかけてたっぷり座組の皆さんと議論を重ねました。

その時に使った資料の一部です。

こんな感じ。

私はもっと自分の作劇を強化したいと思っています。

そのためにはチーム体制も強化しなければなりません。

ずっと過去のやり方に縛られていては、「進化」は望めません。

人間て「変えること」に対して多少なり抵抗感のある生き物です。

でも空集合のテーマは「変化」。リニューアルの目的も「変化」です。

その他のいろんな試みもそうですが、私は変化し続ける団体として、空集合を育てていきたいです。

今回も良い作品が作れるよう、全力で試行錯誤します!!!

11月、ぜひ劇場に足をお運びいただけると大変嬉しいです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました